杓子blog

杓子による猫のための

せんばばの話

小学生時代、誰もが変な人物の噂や都市伝説について知ることがあったと思う。

私の小学生の時だと「せんばば」と呼ばれる人物がいた。

 

歳は6、70歳代の女性

痩せこけていて常に白髪の頭は爆発していた

肌が真っ黒で、真っ黒というのは色素というよりお風呂に入れていないことが原因であろう黒さがあった。

嫌な臭いもあるらしい。

 

 

彼女を目撃した人の多くは

「あいつ、〇〇公園で洗濯してたぞ」

と洗濯している情報が多かった。

だから洗濯+ばばあでせんばばと呼ばれるようになった。

私が小学校入学する前から存在していたとは思う。

 

 

草木が生い茂るところに、のそのそと入っていくせんばばを見かけたことがあった。

友達はせんばばが、用を足しているところをみたらしい。絵に描いて説明してくれた。

 

 

 

ある日の朝

学校の下駄箱があるあたりで人だかりができており近づくと、せんばばが学校の水道で洗濯をしていた。

それを止めようとする校長先生。

今考えてもすごい絵面だ。

 

せんばばは洗濯を止めさせられることに怒っていた。なにか叫んでいたが口周りにシワができるほど歯が少なかったこともあり、また恐怖もあって何を言っていたのかは全く聞き取れなかった。

そのあとどうなったかは知らないが帰る時にはいつもの水道があった。

 

これが低学年の時の話

 

 

時が経ち私は高学年に。

せんばばの目撃情報も減り、話題として上がることもなくなったある日

先生が「せんばばっていたでしょ?」と授業の時に話し出した。

 

 

 

せんばばが亡くなったこと。

潰れた自動車整備工場に住んでいたらしくそこでひっそりと亡くなってたのが見つかった。

と教えてくれた。

 

当時週3回通っていたそろばん教室から50mくらい先にあった場所だった。

そう遠くないところで彼女は最期を迎えたのだ。

 

終わり